【税務編】
償却資産税における少額減価償却資産の取扱 ~先端設備導入計画との併用~
公開日:2026.10.29
Q. 固定資産の経費処理について、今まで全額損金算入が可能だった取得価額の基準が40万円に上がったと聞きました。これに関連して、償却資産税の点で気をつけることはありますか。
A. 中小企業者等の少額減価償却資産の取扱については、法人税法上は全額損金とすることができても、固定資産税における償却資産の対象には含めなければならないという点は従前と変わりません。しかし、先端設備等導入計画の適用が可能になったことで、重複適用が可能になります。
INDEX
少額減価償却資産の特例
固定資産を購入した場合、一時に損金として認められるのは、単体での取得価額が10万円未満であるものが基本です。例外として、取得価額が20万円未満のものについては、その資産の耐用年数にかかわらず、3年で償却ができるようになっています(一括償却資産の特例)。
この他、中小企業者等に対する特例として、取得価額30万円未満の減価償却資産は全額損金算入できる措置があり、2026年度改正により30万円の基準が「40万円」に引き上げられましたⅰ 。
「償却資産税」について
一般的に使われる償却資産税とは、独立した税目ではなく、固定資産税の内、償却資産に対するもののことをいいます。取得価額が10万円未満の資産と20万円未満で一括償却を選択した資産は対象から除かれますが、今回40万円未満となった少額減価償却資産の特例を適用して決算書上の固定資産に計上されていない場合でも、償却資産の対象として申告する必要がありますⅱ。
先端設備等導入計画制度について
先端設備等導入計画とは、生産性を高めるための設備を取得した場合に、固定資産税の軽減措置が受けられる制度です ⅲ。雇用者の給与を1.5%以上増加させる賃上げ方針を従業員に表明したことを位置づけた先端設備等導入計画に従い、160万円以上の機械装置や30万円以上の工具器具備品などを購入した場合、固定資産税を3年間にわたり1/2に軽減する特例を受けることができます(賃上げ率が3%以上の場合特例措置が拡大されます)。
工具器具備品の場合、固定資産税の特例措置の基準は30万円以上ですから、法人税として全額損金算入が可能な40万円未満であれば、固定資産税と法人税両方の特典を受けることができます。
なお、現在の固定資産税の特例措置は、2027年3月31日までに取得した設備が対象です。
経営上の視点
固定資産税は土地建物だけでなく工具器具備品でも対象となり、会社にとっては思わぬ負担になることがあります。今回の改正により単体で10万円のレンジの中で2つの制度適用が可能になりました。また、これに限らず他の設備等も含めて高額な投資となる場合は、先端設備等導入計画を念頭に置き、事前に準備を進められてはいかがでしょうかⅳ 。
ⅰ 少額減価償却資産の特例は青色申告であることが条件となっており、個人事業にも適用されます。また、対象資産の総額は年間300万円が限度となります。
ⅱ 償却資産については免税点制度があり、合計額が180万円未満の場合は課税されないことになっています。
ⅲ 特例適用に当たっては、商工会議所や税理士等の認定経営革新等支援機関の事前確認が必要です。
ⅳ 本稿の対象となる租税特別措置法は今後大幅に改正される可能性があります。具体的に検討される際は、税制改正に十分ご注意下さい。
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