日本の地域の力
公開日:2026.09.18
みなさんこんにちは。お元気でしょうか。
いま私はワシントンDC発羽田空港行きの飛行機に乗っています。4年間の米国生活を終えて日本に帰国することとなりました。これからまた日本で生活できることをとても楽しみにしています。
本日は日本の地域の力について書いてみます。私はもともと九州の出身で、東京以外に福岡にも拠点があります。ときどき帰福(福岡に帰ること)すると、地元の良さをしみじみ実感します。食べ物はうまい、海も山もすぐ近くにある、物価も東京と比べると安い、住んでいる人たちも優しい。こうした感覚は福岡ばかりではなく、みなさんそれぞれの故郷やゆかりの地でお感じになることでしょう。日本列島津々浦々、いいところばかりです。
もちろんよいことばかりではないのは分かっています。過疎化と少子高齢化が進む市町村もたくさんあり、特に農村と里山が荒廃すると、奥山から熊や鹿や猪などが下りてきます。近年の熊の被害は、気候変動だけが原因ではありません。人間社会が自然に大きな影響を与えているのです。また、日本の森林率は約66%と国土の三分の二が森であり私たちは圧倒的な自然環境に恵まれているのに、担い手不足などが深刻で特に林業は困難な状況にあります。
そして、さらにこの背景に「人の心」があります。「男が働き女は家を守る」といった性別役割意識が強く残る地域では、進学や就職の際に女性が流出して帰ってこないという傾向が顕著です。そうすると当然働き手も減るし、次世代人口も減ってしまいます。例えば九州においては、福岡のような都市に人が集まり他の県は人口が減少するという傾向を生んでいます。
私はさまざまな自治体のご支援をしていますが、その中では二つのことを重視しています。一つは多様性に対して寛容な人の心を育むこと。女性が単なる就労を越えて意思決定の中に入っていけるためには、男性の意識が変わらなければなりません。また、障がいのある人が働きがいのある職場を見つけられること、外国人が地域の人々とよい関係を築けること、すべて住む人の心のなせる技です。
もう一つは、「生物多様性」を最大の武器とすること。日本の森林や海洋資源は世界にも類を見ない生態系の多様性を誇ります。これまで私たちはこれを所与のものとして削り続けてきました。しかしこれからは、自然を守るだけでなく循環させ増やすことが求められます(これをネイチャー・ポジティブといいます)。その中でビジネスが重要な役割を果たし、雇用を生み、農林水産業だけでなく観光を含むサービス業をも成長させていくことが必要です。
日本に帰ることがとても楽しみになってきました。これからもよろしくお願いします。
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