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各種調査レポート

【労務編】 中途入社者が年休5日を取得しなかった場合の取り扱い

経営・実務Q&A

【労務編】
中途入社者が年休5日を取得しなかった場合の取り扱い

公開日:2026.07.31

社会保険労務士法人 人的資源研究所 特定社会保険労務士・人事コンサルタント 平尾 由紀

Q. 年休消化期間を年度末までとしている会社で、中途採用者の有休5日消化の考え方について教えてください。
A. 年次有給休暇の5日消化義務とは、年10日以上の年休を付与された従業員に対し、内5日は1年以内に年休消化をさせなければならないことをいいます。1年以内の基準は、入社日によって異なるため、会社が年度末を消化期間と定めていても、対象者によっては年度末までに年休法違反にはならないケースもあります。時季指定の年休消化を拒否する従業員には、プロセス管理の徹底をお願いします。

年次有給休暇の5日消化義務

 2019年4月の労働基準法(以下「労基法」という)改正では、年10日以上の年休を付与された従業員に対し、内5日は1年以内に年休消化をさせなければならないという事になりました。

 この1年の開始は、基準日(継続勤務した最初の6か月経過日から1年毎に区分した各期間の初日)からとなります。したがって、1年の開始時期(=基準日)は、入社日に応じて変わるため、個々人で基準日が異なることになります。

中途採用者の場合は?

 例えば8月1日に入社した従業員は、法定通りだと翌2月1日に10日の年休を取得します。従ってこの人の基準日は2月1日となります。つまり2月1日から翌1月31日までの間に5日以上の年休を消化していればまずは良いということになります。

 今回の例のように、会社が独自の起算日を設けているところが多くあります。ご相談の会社は4月1日が起算日の様ですが、労基法上は3月末までに5日消化できなくても法律違反にはなりません。管理の難しいところです。

年休の時季指定の方法

 5日の年休消化を達成するために、場合によっては、会社が時季を指定して有休を消化させる必要も出てきます。この年休の時季指定に当たっての留意点として、労基法施行規則によると、会社は従業員の意見を聴取し、できる限り従業員の希望を尊重することが定められています。

 会社が時季指定をしたにも関わらず従業員が従わないで勝手に出勤したとしても有休を消化したとはいえませんので注意が必要です。

時季指定の年休消化を拒否する従業員

 「会社が何度時季指定をしても従業員が業務繁忙を理由に年休を取らない。強制的に休ませても良いか」というご相談もあります。

 この場合、まずは上司を交えてどうして取れないのか、業務改善等その解決方法はないかをご検討ください。

 そして年休消化が可能であると合理的に判断できる(要するに絶対休めると判断した)日を指定してください。このプロセスは非常に大切です。

 結果としてそれでも当該従業員が全く従わない場合、「年休は従業員の権利であって義務ではないものの5日消化ができなかった場合、労基法違反として会社が刑罰の対象となり得るので、就業規則に則り「正当な理由なく業務上の指示等に従わなかった」という制裁の対象になる可能性もある」ということも伝えて頂きたいと考えます。

 あくまでも、年休消化は企業努力ありきですのでご注意願います。

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