【上海】
中国の抹茶ビジネスの現在地
公開日:2026.06.24
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はじめに
今回は「抹茶」を取り上げます。
抹茶そのものは8世紀~9世紀にかけ、中国から日本へと伝わったとされていますが、現在では「宇治抹茶」に代表されるように、日本の食品としてのイメージが強いかと思います。
しかし、近年中国では抹茶の生産が右肩上がりとなっており、その生産量は全世界の65%を占めています。中国で拡大する抹茶ビジネスについてお伝えします。
抹茶製品の現在地
抹茶は、和菓子に留まらず、洋菓子やアイスクリームなど様々な食品に用いられています。
テレビや雑誌でも世界的な抹茶ブーム、などの切り口で紹介されることは決して少なくありません。
中国内でも「抹茶味」は高い人気を誇っており、ブームの枠を飛び越え、一般化しているのが現状です。そしてその扱い方も現代的です。中国では、日本よりはるかに盛んなスイーツドリンク業界において、抹茶を扱ったメニューが常時開発されています。抹茶ラテは当たり前、抹茶と果汁を組み合わせたドリンクや、日本でも見られるようなホイップクリームを乗せたものなどなど…以前は日本を想起させるようなイメージで展開されていましたが、最近はあくまでメニューのひとつとしてフラットに扱われているように感じます。
世界最大の抹茶生産国、中国
旺盛な需要を背景に、中国内での抹茶生産量は年々増加基調にあります。抹茶の日本での生産量は約4,000トンといわれている中、中国の2025年の抹茶生産量は約1万2,000トンとなっており、数年内には1万8,000~2万トンに達するともいわれています。
また、輸出も積極的に進めており主力産地のひとつである浙江省での抹茶輸出額は今年1~3月期で約1億4,000万元と前年同期比で7.3倍となっており、一般的にイメージがしやすい欧米圏に加え、日本のコンビニやスイーツ店にならぶ抹茶にも中国産の抹茶が使われるなど、逆輸出の構造が浮かび上がってきています。
大量生産される抹茶、品質もより良く
拡大がみられる中国の抹茶生産ですが、生産を拡大させるだけでなく品質向上にも取り組んでいます。
最大生産地のひとつ、貴州省銅仁市にある企業では、従来からの中国茶生産に加え、2017年より抹茶生産に乗り出しました。日本などから専門家を招きその技術を取り入れたことで、いまでは極めて高い生産能力をもつ世界最大規模の抹茶生産工場になっています。
もともと、貴州省は中国内でもGDPが下位に属する省のひとつであるため、省・市政府一体となってビジネスの拡大を後押しする政策を行ったことも寄与しているようです。
気になる品質面ですが、日本産の方が香りが高いなどの評価が大勢ではあるものの、日本に輸出され消費が拡大していることからも、品質が向上してきているといえるのではないでしょうか。
このまますぐに中国産の抹茶が日本産の抹茶に取って代わる、というようなことは考えづらいものの、日本が今後、生産者の高齢化などで茶葉の生産量が年々減少基調となり供給不足の懸念がみられるようになった場合、安定供給が可能な中国という構図が固まってしまうと日本産抹茶の品質面での優位性を生かせなくなることが懸念されます。
おわりに
中国は今後、抹茶の生産をさらに拡大させていくと思われます。
日本も抹茶をはじめとした緑茶の輸出そのものは年々拡大していることから、日本産の優位性はあると思いますが、持続性が課題だと思います。
抹茶に限った話ではないですが、今後も持続的な生産を続けていくためにどうすればいいか、ということを生産者だけなく消費者側も考えていく必要があると思います。
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