【税務編】
GSSによる税務行政のデジタル化
公開日:2026.06.24
Q. 今後、税務調査がオンラインによって行われるという話を聞きました。本当にそうなるのでしょうか。
A. 国税庁では、政府共通の業務実施環境である「ガバメントソリューションサービス」(Government Solution Service:GSS)を利用したオンライン化を進めています。
これにより、将来的にはオンラインによる税務調査が行われる場合もあると思われます。
INDEX
GSSとは
GSSとは、国の機関共通の基盤となるオンラインシステムです。国の機関の職員が安全かつ効果的に業務に取り組めるように、デジタル庁が中心となって提供しています。政府の業務に配慮してセキュリティ対策などが統一化されており、府省庁間の連携も取りやすくなっています。また地方自治体への対応も検討が進められています。このシステムが2026年6月までに国税庁でも導入されることになりました。
国税庁では、単独のシステムであるKSK国税総合管理システムについて、2026年9月からKSK2にアップデートする予定です。この2つのシステム導入により、国税システムは大きく変わります。
GSSによる税務行政の変化
税務行政におけるGSSの取組は下記のようなものとされています。
①メールの利用
従来、税務署とのやり取りは電話が主体でしたが、税務署職員1人1人に端末とメールアドレスが配布される予定ですので、メールでの連絡が可能となります。
②オンラインストレージサービスの利用
従来は紙でのやり取りが中心でしたが、今後は大容量のデータでもオンラインストレージサービスを利用して行うことができます。
③ウェブ会議システムの利用
税務署職員との打合せにウェブ会議を利用することが可能になります。税務調査もこの機能を利用すればオンラインで行うことができます。
税務調査等での利用
オンラインで税務調査が利用できるようになっても、すべての場面で利用されるわけではありません。
国税庁HPに掲載されたFAQでも、「効率的な調査の実施に資すると国税当局が判断した場合に、オンラインツールを部分的に利用することとしています。そのため、全ての税務調査において、オンラインツールを利用するものではありません。」とされています。納税者と税理士双方の合意があった場合にのみ利用することになります。
ただし、対面での税務調査であっても、今後は税務署職員がGSSにつながる端末を持参することが想定されます。この端末から新しいKSK2に入っていけば、法人税、所得税、消費税といった税目を横断的に見ることが可能とされており、調査の現場で問題点を具体的に抽出することが可能になると思われます。
企業としての対応
今回のシステム対応を税務署という目線で見ると、GSSという端末を利用して、KSK2というデータベースを活用することになったといえます。
今後は国税の対応が迅速化されることが予想されますが、国税としてのデータベースの基本的な内容は既存のものとほぼ同一であり、税務調査が内容的に厳しくなるものではありません。
納税者としては、従来通り、適切な税務申告を行っていくという意識を持つことが重要です。
また、この機会に、自社でもセキュリティ面にも配慮しながら、システムの見直しを行ってはいかがでしょうか。
一覧へ戻る