【法務編】
不動産登記法改正 ~所有者の住所等変更登記の義務化~
公開日:2026.04.23
Q. 2026年4月から改正不動産登記法が施行されたと聞きましたが、どのような改正があったのでしょうか。
A. 不動産の所有者の氏名・名称または住所(以下「住所等」)に変更があったときに、変更日から2年以内に変更登記の申請をすることが義務付けられました。
住所等の変更があったときは変更登記の申請を忘れずに行いましょう。
INDEX
不動産登記法改正の経緯
相続登記や住所等変更登記がされないことなどにより、
①不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地、
②所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地
が発生しました。これを「所有者不明土地」といいます。
「所有者不明土地」については、所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、民間取引や土地の利活用の阻害原因となったり、土地が管理されず、放置され、隣接する土地への悪影響が発生したりするなど、様々な問題が生じています。
全国のうち「所有者不明土地」が占める割合は九州の大きさに匹敵するともいわれており、今後、高齢化の進展による死亡者数の増加等により、ますます深刻化する恐れがあり、その解決は喫緊の課題となっています。
そこで、「所有者不明土地」の主な発生原因である相続登記の未了及び住所等変更登記の未了に対応するため、2021年に法律が改正され、これまで任意だったこれらの登記が義務化されることになりました。そして、2024年4月1日から相続登記の義務化、2026年4月1日から住所等変更登記の義務化の施行が開始されました。
2026年4月改正不動産登記法
(1)住所等変更登記の義務化
2026年4月1日から、不動産の所有者は、住所等について変更があったときは、その変更日から2年以内に変更登記の申請をすることが義務付けられました。
なお、施行日(2026年4月1日)より前に住所等を変更した場合であっても、変更登記をしていない場合には義務化の対象となり、2028年3月31日までに変更登記をする必要があります。
(2)義務違反と過料
正当な理由がないのに住所等の変更登記を怠ったときは、「5万円以下の過料」の適用対象になります。「正当な理由」としては、義務者が重病であったり、経済的に困窮しており登記費用を負担する能力がない場合などが想定されています。
もっとも、登記官が義務違反の事実を把握しても、直ちに裁判所への通知(過料通知)を行うこととはありません。登記官が過料通知を行うのは、義務に違反した者に対し、相当の期間を定めて義務の履行を催告したにもかかわらず、正当な理由なく、その期間内に申請・申出がされないときに限られます。
スマート変更登記
2026年4月1日から、法務局が職権で住所等の変更登記をしてくれるサービス(「スマート変更登記」)の運用も開始されました。
法務局で「スマート変更登記」の利用手続をとっておけば、その後に住所等の変更があったときは、法務局が職権で住所等の変更登記をしてくれるため、住所等の変更がある度に自身で変更登記の申請をする必要がなくなります。
「スマート変更登記」は、個人でも法人でも利用することができ、利用手続も比較的簡単で、費用も無料ですので、積極的にご活用ください。「スマート変更登記」を利用したい場合は、弁護士・司法書士等の専門家にご相談いただくか、法務局のHP()をご参照ください。
注意点
法人の住所等について変更があったときは、2週間以内に管轄の法務局で法人登記の変更登記を行う必要があることはよく知られており、多くの法人では法人登記の変更登記はきちんと行われていると思います。
ただし、2026年4月以降は、法人の住所等について変更があったときに、法人登記の変更登記を行うだけではなく、法人所有の不動産について所有者の住所等の変更登記も併せて行う必要がありますので、ご注意ください。
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