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各種調査レポート

IRCニュー・リーダー・セミナー(35期)国内研修旅行

紀行

IRCニュー・リーダー・セミナー(35期)国内研修旅行

公開日:2026.04.13

川尻 麻美

日程:2026年2月18~19日
訪問先(訪問順):株式会社フジワラテクノアート(岡山県) 
        萩原工業株式会社(岡山県) 
        株式会社八天堂(広島県)

はじめに

次代を担う若手経営者の学びの場として、1989年より開催しているIRCニュー・リーダー・セミナー。

昨年に続き2回目となる国内研修旅行を実施し、セミナー生22名とともに、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業を1泊2日で訪問した。

株式会社フジワラテクノアート

最初に訪れたのは、岡山桃太郎空港のすぐ隣に位置する株式会社フジワラテクノアートだ。同社は醤油や日本酒などの醸造機械メーカーで、国内トップシェアを誇る。


まずは「BWAアワード2025」や「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2026」に選ばれた藤原加奈副社長から、同社の紹介や人的資本経営についてお話しいただいた。副社長に就任した2015年から「働きやすさ」と「働きがい」の向上を目指し、経営理念の刷新や人事制度の改定、組織内の「関係の質」強化などの改革に取り組み、採用応募者の増加や高い定着率、女性管理職の増加につながっている。


講話後は、数人の社員が交代しながら工場を案内してくださった。工場内は掃除が行き届き、よく整理整頓されていることはもちろん、一人ひとりが自社に誇りをもって堂々と説明をする姿が印象的だった。また、工場内で働く社員もすれ違うたびに立ち止まって挨拶してくださり、歓迎の気持ちが伝わってきた。


最後には、藤原副社長を相手に活発な質疑応答が行われた。大学4年時に父が急逝して母が社長となり経営に携わるようになった経緯や、ベテラン社員とのコミュニケーション、仕事(経営)と家庭の両立など、自身と年代の近い藤原副社長の経験や苦労に、自らを重ねて深く共感したセミナー生が多かった。自社の目指す姿、これから自分たちがすべきことを考え直す貴重な時間となった。

参加者の声(株式会社フジワラテクノアート)

株式会社紫蘭 池野幸子

藤原副社長のお話から、会社および社員と真摯に向き合ってきたことがひしひしと伝わり、非常に興味深かった。これまで素晴らしい賞をたくさん受賞されているが、社員と向き合ってきたからこその成果であり、その努力は計り知れないものだと感じた。


株式会社伊勢屋商店 伊勢家正裕

社員と向き合う姿勢・取り組みもさることながら、工場内が綺麗であったことが印象に強く残っている。5Sが徹底され、特に、通路と作業スペースをきっちり分けて、通路にモノが全く置かれてないのが素晴らしいと思った。


杉野製紙株式会社 神﨑良子

藤原副社長が会社経営に携わるようになった経緯が、自身と重なる部分が多く、強く共感した。私もビジョンをしっかりと掲げ、社員に浸透させ、共感を得ることで、自社をもっと成長させていきたいと決意を新たにした。


ABC開発株式会社 合田育真

社員の方の明るくイキイキとした様子がとても印象的だった。視察の合間に、藤原副社長と気軽に、笑顔で話している姿を見ながら、「人と人」の関係性を大切にする副社長の想いが会社に浸透しているのを感じた。


新産道路株式会社 高橋信太郎

講話を聴いて、変革を起こすためには考えるだけでなく、理念・方針を言語化して伝え、覚悟・情熱をもって行動しなければと痛感した。また、人を資本と捉えて投資を惜しまず、自律型中核人材の増加を目指し、社員と丁寧にコミュニケーションをとっていることにも感銘を受けた。


有限会社今出石油 乗松佑樹

特に印象深かったのが人事評価。部門・人ごとに細分化されており、何を目標にして行動するかが分かりやすく、また、プロセスや努力が評価されるため、一人ひとりのやる気が上がり、会社の活性化につながっていく。これが「人を大切にする経営」だと、大変勉強になった。 


株式会社亀岡 山本忠

情報の可視化(デザイン・言語化)が社内や工場、食堂まで至るところにあり、洗練されていた。会社がつくる「川(方向性)」に対し、社員が自発的に「水路(仕組み)」を引くことで、豊かな資産が生まれるという理想的な循環を感じた。

萩原工業株式会社

翌日は、岡山県倉敷市で合成樹脂繊維「フラットヤーン」を製造・販売する萩原工業株式会社を訪問した。フラットヤーンとは、ポリエチレン・ポリプロピレンを主原料とした平らで丈夫な糸のことで、ブルーシートや人工芝などに使われている。


同社に足を踏み入れると、執務室内の社員全員が立ち上がり、こちらを見て笑顔で挨拶してくださった。まず会議室にて浅野和志社長から挨拶があり、その後社長室を案内していただいた。社長室はガラス張りで扉も開放されており、「常にお互いの顔を見て仕事ができるよう、更衣室とトイレ以外は“見える化”している」そうだ。また、社長室内のモニターには全社員の顔写真入り名簿があり、時折確認しているという。


その後、吉田淳一経営企画室長から同社の沿革や事業、「人を大切にする経営」の取り組みについてご紹介いただいた。社員の誕生日に浅野社長がメッセージカードを手書きし、一人ひとり内容を変えて贈っていることに、皆驚きを隠せなかった。


帰る際も社員全員が立ち上がり、丁寧に見送っていただいた。「戻ったらまず挨拶から取り入れたい」と、口にするセミナー生もおり、自社の取り組みに生かす実践的な学びを得たようだ。

参加者の声(萩原工業株式会社)

株式会社井出工具 井出成郁

全社員の顔写真と名前をいつでも確認できるよう工夫したり、誕生日にはプレゼントを贈ったりと、人情味あふれる会社、社長だと感じた。社長と社員というビジネス上の関係に留まらず、「あなた個人をちゃんと見ている」ことを伝え、行動として実践されているのは素晴らしい。 


株式会社プリベ石川 内田捷裕

ガラス張りの社長室に驚いた。外から中が見えるだけで、物理的だけでなく、心理的な風通しの良さにつながっているように感じた。このように、働く場所にも企業の考え方を反映できるポイントがあり、どのような環境で働くのか・どのような空間を創り出すのかということを改めて考えさせられた。


 ナガイ株式会社 永井光陽

工場内や事務所内がとても綺麗に清掃されていることが強く印象に残った。清掃が行き届いていることは、生産性や安全性の向上につながるが、それだけでなく、社員が気持ちよく働ける環境づくり、ひいては「社員の幸せ」にも続いていくものだと感じた。 


株式会社なかむら 中村佑美

更衣室やトイレを除くすべてを「見える化」したり、「言える化」「聴ける化」を進めて雑談を大切にしたりするなど、さまざまな取り組みが印象的だった。「挨拶ができる人は伸びる」という話に強く共感した。


カナエ紙工株式会社 三木悠史

同じ製造業として、特にスリッターの事業も行っているため、これからの事業拡大のヒントになった。また、同社の「人を大切にする経営」の取り組みを知り、浅野社長の人徳はもちろん、社内の随所にそれが表れていると感じた。 


株式会社伊予銀行 長井崇

社長室の椅子をあえて座り心地の悪いものにして長時間会議を防ぐ工夫や、「コスト低減または安全性向上」をテーマとした改善活動が年間約5,000件も提出されている点から、現場主体の経営が根付いていると感じた。小さな工夫の積み重ねが企業文化を形成し、継続的な成長につながることを学んだ。

株式会社八天堂

最後の訪問先は、冷やして食べる「くりーむパン」が有名な株式会社八天堂だ。広島空港の傍らにある「八天堂ビレッジ」は、隣接する製造工場のほか、パンづくりができる工房やショップが一体となった「八天堂カフェリエ」、カフェ、地元産品を販売する空の駅、バーベキュー設備など、家族や友人と楽しめる体験型のテーマパークとして親しまれている。また、敷地内には、同社スタッフや地域の方に利用されている事業所内保育園も併設され、にぎやかな声が響いていた。


 甘く優しい香りが漂う空間で、森光孝雅社長に、『人生、今日がはじまり 良い品 良い人 良い会社づくりへの挑戦』と題してご講話いただいた。和菓子屋から始まった同社が、業態を変更しながら成長してきたこれまでの歩みや、3代目として家業を継いでから今日に至るまでのご苦労、「くりーむパン」誕生の経緯など、さまざまな話を聴かせていただき、皆メモを取りながら真剣に耳を傾けていた。


質疑応答では次々に手が挙がり、積極的な意見交換ができた。経営者の先輩として、森光社長が大切にしている考え方や、経営理念に込めた想いなど、次代を担うセミナー生へのメッセージをいくつも伝えてくださり、背中を押されたメンバーも多かったようだ。自身を見つめ直し、リーダーとしてありたい姿を考える機会となった。

参加者の声(株式会社八天堂)

浅川造船株式会社 浅海悠人

やりきった先に未来がある。極端な選択と集中は無謀な挑戦に見えるが、全てをやりきってここしか突破口がない、と覚悟を決めた先は明るいと感じた。いつか自社の話をするときは、森光社長のような熱量で自分の会社を語りたい。 


株式会社ダイキアクシス 大亀正裕

「八天堂ビレッジ」は単なる観光地ではなく、そこで働く社員のモチベーションを向上させるための戦略的な投資だと理解した。「良い設備が人を惹きつけ、大切にされた社員がブランドを支える」という思想が、目に見える形として体現されている点に、経営における投資の本質を再認識した。 


フジ広告株式会社 小川睦人

森光社長の経営に対する意識・熱量と、「夢は楽観的、計画は悲観的に」「頭の中で何度もシミュレーションする」という言葉がとても印象的だった。「これでいいのか」と自問自答することを私も意識して取り入れていきたい。


株式会社長井商会 小林大悟

他者を思いやる「志」の意義を再確認した。「自己中心的な姿勢は信頼関係の構築を妨げ、結果として社員の離職につながる」「経営理念は明確化し、繰り返し伝えて初めて浸透する」などのお話はとても参考になった。改めて社内での信頼関係づくりに活かしていきたい。 


株式会社ハタダ 畑田晃宏

同じ食品メーカーであり、製造、販売、企画まで自社で行える業態であるなかで、時代の変化に合わせて変化していくことの重要性、またそのためにはトップ自らが行動して発信していく以外ないという、当たり前のようで大切な考え方を再確認できた。 


新玉電気工事株式会社 東方大

「いい会社にすれば自然と人は集まる、入りたいと思える会社にすれば自然と人は集まる」という話を聴き、自分が悩んできたことが一掃されたような気がした。言われてみれば当たり前だが、それに気づかないほど、自身の視野が狭くなっていたのだと思わされた。 


新和工業株式会社 古川翔之助

森光社長の講話から、会社経営は「投資と回収の連続」であり、進化と退化(現状維持は退化)しかないことを学んだ。そして、経営を行うなかではピンチをチャンスに変える力が求められると認識した。これらを踏まえ、経営者として困難な状況でも果敢に意思決定し、状況を好転させる姿勢を大切にしていきたい。

参加者の声(視察全般)

株式会社東燃 坂本大樹

各先で行われた質疑応答では、プライベートと仕事の両立や事業承継の話が多かった。経営者も一人の人間として、子を持つ親として、皆悩んでいるのだと感じた。それぞれ考え方は違うが、人の数だけ答えがあると思うと心強く感じた。それこそが、このセミナーの醍醐味ではないかと思う。 


八幡浜官材協同組合 下田智久

世代の異なる同期たちのあふれるエネルギーや柔軟な発想に触れ、新鮮な刺激をもらい、自身の考えを見直す素晴らしい機会となった。視察はもちろん、夜に同じ志を持つ仲間とお酒を飲み交わしながら語り合えたことが、今回の旅の大きな収穫の一つだった。

おわりに

あっという間の2日間でしたが、それぞれ多くの気づきや学びを得て、経営への想いをいっそう強くした有意義な機会となりました。また、同じ時を過ごしたセミナー生同士の絆もさらに強固になったように感じました。

私どもを温かく受け入れてくださった3社の皆さまに、あらためて感謝いたします。ありがとうございました。

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