【税務編】
少額減価償却資産特例の基準引き上げ
公開日:2026.04.02
Q. 昨年末の令和8年度税制改正大綱で「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が改正されるようですが、詳細を教えてください。
A. 取得価額の基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられます。
取得価額の基準の引き上げは、改正法の施行日以後に開始する事業年度ではなく、施行日以後に取得等(製作・建設を含む)する資産に適用される予定です。
INDEX
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」とは
「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」とは、中小企業者等が、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、損金経理を要件に、その事業年度において取得価額を損金算入することができる制度です( 措法67の5 等)。器具及び備品、機械及び装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウエア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となっており、中古の資産にも適用できます。
「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」によれば、令和5年度は約66万社が「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」を適用しています。
改正の概要
令和8年度税制改正大綱では、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の対象となる資産の取得価額の基準を、平成15年度改正で創設以来初めて「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げることが示されました。
常時使用する従業員の数が400人を超える法人(現行:500人を超える法人)を対象から除外したうえで、適用期限が令和11年3月末まで3年延長されます。
取得価額の合計額300万円までの適用限度額の要件については、金額等の変更はありません。
引き上げ時期
取得価額の基準の引き上げは、改正法の施行日以後に開始する事業年度ではなく、施行日以後に取得等(製作・建設を含む)する資産に適用される予定です。
改正法が令和8年4月1日に施行した場合には、令和8年3月31日までに取得等した資産に30万円未満の現行要件が適用され、同年4月1日以後に取得等する資産については40万円未満であれば本特例の対象となる予定です。
例えば、12月決算法人の令和8年12月期において、施行日が令和8年4月1日の場合、令和8年1月から3月末までに取得等した資産には30万円未満の現行要件が適用される一方、令和8年4月から12月末までに取得等した資産は取得価額が30万円を超過しても40万円未満であれば少額減価償却資産として本特例の対象となります。同一事業年度でも資産の取得時期が施行日以後か施行日前かで適用される要件が異なることになります。
なお、個人事業者の所得税の本特例においても同様の改正が行われる予定です。
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