【上海】
日中関係をめぐる中国現地の反応
公開日:2026.02.26
はじめに
昨年11月、高市首相の台湾有事に関連する発言に端を発し、日中関係は悪化の傾向にあります。日中間の航空路線運休が相次ぎ、日本人アーティストの現地公演が中止となっており、いま中国に行くことは危険なのか?や、生活面でトラブルなどがあるんじゃないのか?という声やご相談を非常に多くいただいています。
今回は、昨年11月以降の中国内から見た日本に対する反応について取り上げたいと思います。
現地メディアの反応
中国におけるテレビや新聞をはじめとした現地メディアは、基本的に中国共産党の体制内にあるため、各社が発信する内容には党の意見がしっかりと反映されています。
この問題が取りざたされるようになった昨年11月中旬以降、国営放送CCTVで毎日19時より放送されるニュース番組「新聞聯播」では、高市首相の発言を非難する報道や、不安を煽るような報道が連日なされ続けました。
12月に入ってもその流れは止まらず、党側の文脈に沿った識者のインタビューや日本で行われた高市政権を批判するデモを積極的に報道していました。
1月に入ってその頻度こそ少しずつ収まってきたものの、スタンスについては全く変化が見られません。ただ、批判の矛先は日本そのものというよりは高市政権に絞られていると感じました。
街の反応
生活面はどうでしょうか。約15年前の尖閣諸島問題が過熱化した際は、中国各地で日系企業の打ちこわしや反日デモが各地で勃発していました。
一方で今回は、私個人の感覚でいえば、全くの無風状態、生活面に変化はなく暮らすことができています。出張で上海以外の地域にも足を運びましたが、今回の件で反日的な対応をされたことはこれまでありませんでした。日本食を提供する店舗も普段どおりです 。
実際のところ、日本で普段政治の話題をあまりしないのと同様に、中国現地の人も積極的に政治の話をすることはありません。仮に政治の話をするとしても我々日本人では気づけないような中国独特の造語などを織り交ぜながら会話していると考えられます。
ビジネス面の影響
ビジネス面の影響としては、日本でも報道されているように、日本産水産物の輸入再停止がなされたり、各企業や団体間での交流イベントが開催延期や中止となったりしました。
細かいところでは、展示会で積極的に日本語の掲示物を出さないように主催者から指示されるなど、表立って大きくなるほどのことではないものの、ビジネスのやりづらさを感じさせられるような話を聞いています。
そして見逃せないのが出張です。日中間の航空便が減少したことで、特に地方からの中国渡航が難しくなりました。会社によっては韓国・ソウル経由で中国に渡航するケースも増えているようです。
おわりに
昨年11月以降の中国の日本に対する反応について取り上げました。生活面では影響ないといえるものの、ビジネス面では影響がないとはいえないような状況となっています。
一方で、中国としても日本はビジネスの相手先として決して小さい国ではありません。中国の企業も、内心どう考えているかはともかくとして、党の方針や取り決めには従わざるを得ないのが事実です。難しい状況は続きますが、その動向については冷静に見ていく必要があるでしょう。
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