初の最低賃金1,000円台に県内企業の約6割がマイナスの影響、 今後の成長につながる取組みが望まれる ~最低賃金引き上げの影響と価格転嫁の進展に関する調査~
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初の最低賃金1,000円台に県内企業の約6割がマイナスの影響、 今後の成長につながる取組みが望まれる ~最低賃金引き上げの影響と価格転嫁の進展に関する調査~
初の最低賃金1,000円台に県内企業の約6割がマイナスの影響、 今後の成長につながる取組みが望まれる ~最低賃金引き上げの影響と価格転嫁の進展に関する調査~
株式会社いよぎん地域経済研究センター(略称IRC、社長 矢野 一成)は、このたび標記の調査結果をとりまとめましたので、その概要をお知らせします。
なお、詳細はIRCホームページに掲載します。
【調査概要】
2025年12月から愛媛の最低賃金は1,033円に改定され、初めて1,000円を超える。今回の大幅な引き上げは企業に大きな影響を及ぼすことが予想され、また人件費増加を前提とした経営への転換を迫るものである。そこで、県内企業を対象に最低賃金引き上げの影響と対応策の1つとして価格転嫁の進展状況を把握するため、アンケートを実施した。
・初の最低賃金1,000円台に対し、全体の74.4%が時給額の引き上げを予定する。また、その影響について、前年度を約12ポイント上回る59.0%の企業が「マイナスの影響がある」(「大きなマイナスの影響がある」+「ある程度マイナスの影響がある」)と回答した。
・具体的な影響では、「人件費の増加に伴う採算悪化」(86.0%)が最も多い。また、非正規雇用者数の比率50%以上の企業では、「就業調整」が65.8%と全体(34.4%)を大きく上回っており、「年収の壁」による働き控えの影響は依然として大きい。
・政府目標「2020年代に全国加重平均1,500円」に向けて、今回と同程度の引き上げペースが続くことについて、全体の67.3%が「早過ぎる」と捉えている。特に非正規雇用者数の比率50%以上の企業では、77.8%と全体を約10ポイント上回った。
・最低賃金引き上げに伴い増加する人件費の原資確保策では、「価格の引き上げ・転嫁」が50.4%と最も多い。価格交渉には68.8%が着手しているものの、進展状況が「ある程度進んでいる(転嫁割合4割以上)」企業は46.1%にとどまる。
・愛媛をはじめ複数の県で最低賃金に関する慎重な議論が相次いだように、最低賃金が地域経済全体に与える影響は大きい。今回の大幅引き上げを企業が成長を目指す好機と捉え、収益力向上への取組みをより一層強化するとともに、政府・行政には企業や地域と共に成長につながる支援や制度整備を期待したい。
【本件に関するお問い合わせ】株式会社いよぎん地域経済研究センター(担当:菅)TEL(090)8971-9258