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各種調査レポート

【税務編】 デジタルインボイスの今後

経営・実務Q&A

【税務編】
デジタルインボイスの今後

公開日:2025.09.22

和泉会計事務所 税理士 和泉 真紀夫

Q.日本でデジタルインボイスを導入している企業等も増えてきているようですが、当社はまだ導入していません。導入することでどのようなメリットがあるのか教えてください。
A.デジタルインボイスが普及することで売り手にも買い手にもメリットがあります。詳しくは以下の通りです。

デジタルインボイスとは

デジタル庁の資料によれば、デジタルインボイスとは、請求情報(請求に係る情報)を、売り手のシステムから、買い手のシステムに対し、人を介することなく、直接データ連携し、自動処理される仕組みをいいます。その際、売り手・買い手のシステムの差異は問わないとされています。
パソコンや会計システムなどの活用で、中小企業でも経理業務の電子化・効率化は、ある程度進んできました。請求業務においても、「印刷」「封入」「投函」といった手作業が必要な紙の請求書から、PDF等の電子データでやり取りすることが増えてきています。
しかし、電子データでの請求書のやり取りは、実は受け取った側(買い手側)にとっては、①受け取った請求書の内容を自社のシステムに入力し直す必要がある、②紙やPDF等、取引先によって混在している発行方法に対応する必要がある、など効率化につながっていないと言われています。
こうした課題を解消できるのが「デジタルインボイス」です。デジタルインボイスとは請求書の発行から受領まで、一切人の手を介さずに、売り手と買い手のシステム間で直接データを連携させて自動処理する仕組みです。PDF等の電子データとは異なり、送信者や金額等の情報が100%の精度で解析され、その後の作業が自動処理されるという特徴があります。
業務をより効率化し、時間外労働の抑制や人手不足にも対応していく上でも、デジタルインボイスへの対応は必要不可欠といえます。
また、デジタルインボイスを活用した自動処理の恩恵は、買い手の効率化にとどまらず、売り手は自ら提供した請求に係る入金情報と結びついたデータで受領することで、入金消込の自動化も実現可能となります。
デジタルインボイス推進協議会(EIPA)の「諸外国におけるデジタルインボイス(e‒invoice)制度調査報告書」によると、80ヵ国以上でデジタルインボイスの義務化が実施又は計画されています。欧州では、課税強化を目的として、各国の法制度に従い国内取引を対象とするデジタルインボイスの義務化が進んでいます。

ペポルインボイス

請求書をはじめとした電子文書の送受信に関する国際標準仕様に「ペポル(Peppol)」があります。ペポルは30ヵ国以上で採用されており、このペポルのネットワークを通してやり取りするデジタルインボイスを「ペポルインボイス」といいます。
ペポルインボイスは、①売り手・買い手の双方で、請求書の発行・受領に関わる作業工数が削減できる、②ペポルに対応しているシステムを利用することで、異なるシステムのユーザーとデータを直接やり取りできる、③人為的なミスが削減できる、④インボイス制度の記載要件を満たしていないと請求書が発行できないため、記載要件が網羅されているかの確認が不要となる、などのメリットがあります。ただし、ペポルインボイスを利用するには、ペポルネットワークに参加するための手続きが必要になるため注意が必要です。

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