安全な自動車輸送を支える
有限会社大豊陸送 取締役総務部長 / 柴田 陽平 氏
(IRCニュー・リーダー・セミナー32期修了生)
公開日:2025.09.22
有限会社大豊陸送は新車・中古車などの輸送を行っている。創業者は祖父の加藤 浩氏。貨物輸送業を営んでいた加藤氏が、「これからは自動車の時代が来る」と一念発起し、1968年に設立した。
業種柄、事故防止には細心の注意を払っている。全社員で安全意識を徹底するため、月1回、『安全会議』と呼ばれる全体会議を実施しており、ドライバーの遵守事項や法改正などの情報を共有している。加えて、運輸安全マネジメントに関する勉強会も行い、運転の心構えやキャリアカーの特性などを学んでいる。そのため、取引先からは「安心して輸送を任せられる」と評価が高い。
柴田氏は現在、同社の経理や人事、総務全般を一手に担っている。「自分を含め、社員の3分の1は子育て世代。柔軟に働けて、休みたいときに休める会社にしたい」と、業務効率化を進め、休暇制度も整えた。例えば、紙ベースだった運行管理をクラウドに変更し、ExcelのVBA*を利用して自動で請求書を一括メール送信できるようにした。「VBAは生成AIを利用してコードを書いた。AIをもっと勉強し、業務改善に役立てていきたい」と言う。
休みやすくなったとはいえ、他業種と比べると休暇取得日数が少ない運送業界。休暇取得を増やすには運賃を上げ、人手を増やす必要がある。そのため、取引先との運賃交渉や人材採用に取り組んでいくとのことだ。
柴田氏は一見穏やかそうだが、実は負けず嫌い。小学生から始めたスキーでは国体選手となり、大学卒業後に勤めた金融機関では専門資格を多く取得した。「金融機関や、その後市役所で働いた経験が今に生きている」と、柴田氏。
今後も粘り強く同社の業務効率化を進めながら、社員の待遇改善も図り、安全運行を支えていかれることだろう。
* Visual Basic for Applicationsの略。ExcelをはじめとするMicrosoft Office製品内で使えるプログラミング言語のこと。
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