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時代の転換点でビジネスがステナビリティを通じてできること (SDGパートナーズ有限会社 代表取締役CEO / 田瀬 和夫)

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時代の転換点でビジネスがステナビリティを通じてできること
(SDGパートナーズ有限会社 代表取締役CEO / 田瀬 和夫)

公開日:2025.09.22

いよぎん地域経済研究センター

みなさんはじめまして。サステナビリティを推進する会社、SDGパートナーズ代表の田瀬和夫です。これからときどきコラムを執筆させていただきます。よろしくお願いします。


私はもとは公務員でした。バブル崩壊直前の1992年に外務省に入り、13年ほど国連を日本の立場から支援する政策に取り組みました。転機となったのは2000年。日本人で初めて難民高等弁務官(UNHCR)をお務めになった緒方貞子先生の補佐官になったことが私の人生を変えます。国連が目指す平和と自由の実現に共感し、2004年には外務省を辞めて国連に移りました。それから10年間、世界各地で主に「人道支援」(戦争や災害後の社会の立て直し支援)に従事することとなります。合計で23年ほどの公務員生活は大きな人生の糧です。
2014年頃、途上国を支援するのに公的支援だけでは不足で、「ビジネス」の力が必要だと思っていたときに、デロイトという会社が官民連携を民の側からやらないかと声をかけてくれました。それで清水の舞台から飛び降りる覚悟でビジネスの世界に飛び込んだのです。そこで3年ほど修行をさせてもらい、2017年に50歳になったのを機に、これからは雇用を創る方にも回ろうという決意とともにSDGパートナーズを創業しました。
幸い、SDGsあるいはサステナビリティはいまや全世界の企業がビジネスの中に取り込まなければならない課題です。脱炭素、生物多様性、女性の活躍も、障がいのある人の雇用も、あるいは最近特に聞くようになった「人権」も、規模の大小や上場しているか否かに関わらず、すべての企業が真剣に取り組むべき課題となってきました。
その中で特にここ数年は、単に環境に良いこと、女性活躍の推進というだけでなく、それで企業の組織基盤を強くしてしっかり稼ごう、稼ぐことを通じて社会の役に立とうという、いわば「きれいごとで勝つ」ということがサステナビリティを追求する企業の一つの常識となってきました。私はそれでよいと思います。企業の本分は利益を上げながら社会の役に立つことです。
いま、世界中で戦争が起き、また米国のトランプ政権は多様性を否定して一見SDGsには大きな逆風が吹いているようにも思えます。ただ、人類やこの文明は一朝一夕にここまで来たわけではありません。私の親の世代に流行った水前寺清子さんの「三百六十五歩のマーチ」は「♫三歩進んで二歩下がる」、それでも1年歩けば365歩進む、という、戦後の高度成長期の個人を応援する強いメッセージを伝えました。今の世界はまさにその状態。いま世界は明確に時代の転換点にありますが、一歩ずつでも進んでいくためには、ビジネスを含む社会のすべての人が力を合わせる必要がありましょう。私はそのお手伝いをすることを仕事として選びました。


また次回お会いしましょう。今年度が素晴らしい年になりますように。

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