おいしい和菓子で幸せをつくる
株式会社世起 専務取締役 / 今村 優作 氏
(IRCニュー・リーダー・セミナー32期修了生)
公開日:2025.09.26


株式会社世起は、もち菓子やげんこつ飴などを製造している。祖父の隆茂氏が1970年に小さな製菓所を立ち上げたのが興りである。当初は玩具付き菓子やチーズケーキ、ゼリーなどを幅広く手がけていたが、新たに挑んだ『きな粉草だんご』や『黒ごまきな粉げんこつ飴』が大ヒットし、和菓子専業メーカーとなった。
同社の商品は20種類以上を取りそろえ、半年に1回、新商品の発売や既存商品の見直しを行っている。海外でも『MOCHI』が人気で、今は10ヵ国以上に展開している。
「コロナ禍が転機だった」と、優作氏。土産品が売上の7割を占めていたため、観光客の減少で売上が半減、大打撃を受けた。そこで思いきって量販店向けに舵を切り、商品の内容量を見直して“食べやすさ”を追求。包装も写真やイラストを盛り込んだスタンド型パッケージに変更して視認性を高めた。さらに、営業活動の効率化を進めた結果、売上はコロナ前の3倍になったという。
「何より変わったのは自分自身。以前は、商品の製造のみに没頭していて、危機感を持っていなかった」と言う。コロナ禍の危機に際し、「今のままではいけない」と奮起し、上記を含めたさまざまな改革に取り組んだ。今では商品開発・製造管理に加え、営業、人事、教育も担当して忙しい日々を送っているが、やりがいを感じているそうだ。
優作氏は「働いてくれる社員やその家族が物心両面で幸せを感じられる会社」を目指し、コミュニケーションや人材育成にも注力している。3ヵ月ごとに全員と1on1面談を行うほか、新入社員をマンツーマンで育てるブラザーシスター制度や、若手社員をリーダーとして現場を任せることなどにも取り組んでいる。
今後もおいしい和菓子をつくりながら、社員や私たちの幸せも育んでいかれることだろう。


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