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【上海】 上海モーターショーからみる中国自動車市場2025

海外だより

【上海】
上海モーターショーからみる中国自動車市場2025

公開日:2025.09.22

長谷川 崇紀

はじめに

4月23日~5月2日にかけて、世界最大級の自動車展示会「上海国際自動車ショー(上海モーターショー)」が2年ぶりに開催されました。今回のモーターショーはEV、もしくはプラグインハイブリッド車(PHEV)などの新エネ車の展開は大前提、そこからメーカー各社がどのように他社とは違う価値を見せるかが問われていたように感じました。今回はモーターショーで見たこと・感じたことをもとに最新の中国自動車市場について述べてみたいと思います。

中国自動車市場の現在地

中国の2024年における自動車の年間生産台数は約3,130万台と16年連続で世界一の規模となっています。また、販売台数も生産台数とほぼ同数の約3,140万台であり、いずれも過去最大です。
販売台数に占めるシェアでは中国ブランドが65.2%と、2023年より9ポイント以上の伸びを見せました。次いで、ドイツ系が14.6%、日系が11.2%と続きます。中国で売れている自動車のうち、およそ3台に2台が中国ブランドであり、ドイツ系・日系からシェアを奪って伸びている状況です。


低価格×独自路線の中国ブランド

中国ブランドの強さの源泉はどこにあるのでしょうか。様々な考え方がありますが、一番はその安さだといえます。
新エネ車を手掛ける中国自動車最大手のBYD。

2年前はまだそこまで日本での知名度が高いとは思えませんでしたが、ディーラーが全国各地に展開されたことに加えテレビCMの効果もあり、多くの人々に知られるようになりました。
BYDや吉利(GEERY)、小鵬(シャオペン)をはじめとする中国の新エネ車は、小型の最安モデルで約110万円から、主力モデルでも200万円台が一般的な水準となっており、価格競争に拍車がかかっています。
また、内装面でも日本で走る一般的な乗用車とは大きく違っています。何よりも驚かされるのが運転席の液晶パネルの大きさです。インターネットとの「コネクテッド」は当たり前、カラオケがついたり、AI機能を搭載したりと盛りだくさんです。ユーザーのニーズとしても、中国ではデザインや車内空間の快適性が日本より大きく重視されている傾向が見られます。

「現地化」が進む日本車

中国車と比較すると押されている日本車ですが、日系各社がそれぞれの色を出し、現地のニーズに沿った展開を行っていました。トヨタは、中国専用の新型車「bZ7」を発表、中国通信機器大手のファーウェイ社のOSが搭載されています。ホンダも話題の中国製AI「DeepSeek」を採用し、運転中の音声対話を行えるようにしています。
中国内のトレンドや技術も積極的に取り入れつつ、大半の部品を中国のサプライヤーから調達することで1台200~300万円台と競争力のある価格帯を実現させており、「現地化」が進んでいるように思えました。

自動運転が当たり前になる?

前回のモーターショーは、新エネ車が最も大きなポイントでしたが、今回は、自動運転がその座に取って代わったように思えました。現在、中国内では上海の郊外や武漢などで既に無人の自動運転タクシーが走行しています。専用のアプリから車両を呼び出し、車体に設置された二次元コードを読み取って乗車すれば目的地まで向かってくれるまでになっています。完全自動運転とまではいかずとも、日中メーカー各社が今回のモーターショーでAIを活用した自動運転技術の可能性について触れていたのが印象的でした。なかでも、中国のスタートアップ企業であるMomenta(モメンタ)社の運転支援機能は、トヨタだけでなく、自社開発を進めていたホンダも採用に至っています。
この先、中国では運転手が車内でカラオケを熱唱しながら手放しで車を運転しても大丈夫、となっているかもしれません。

おわりに

生産・販売ともに台数を伸ばし、テクノロジーも積極投入され、拡大路線が続く中国自動車市場ですが、価格競争が年単位で続き、消耗戦の様相を呈していることは日本でも報道されているとおりです。また、本稿執筆時点(5月末)では一時休戦状態となっていますがトランプ関税の影響も無視できる状況にはありません。各社がしのぎを削る中国自動車市場。今後の独自の進化と発展に可能性を感じつつも、その行く末を見通すのは難しい状況が続いています。

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