【労務編】
労働基準法改正
公開日:2026.01.27
Q.労働基準法(以下「労基法」という)が改正されると40年ぶりとなりますが、実施はまだ先になりそうです。
A.主な改正点は、連続勤務の上限規制、勤務間インターバル制度の義務化、副業の割増賃金通算ルールの見直しなど、企業労務管理に与える影響はかなり大きいと推察されますので、時間と手間がかかるものから先に検討していくことをお勧めします。
INDEX
労基法大改正は2026年?
インターネット上では、今年労基法が大改正されると騒がれていますが、正確には労基法改正案が「国会に提出される時期」の目安を指すものであり、「施行される日は」ではありません。
厚生労働省は、2024年より労働法制研究会を開催し、2025年1月に当該報告書を公表しました。今年の国会に改正法案が提出され成立すれば、翌年度以降施行されるといわれていますので「2027年以降施行」になるのではないかと思います。
労基法大改正の内容は?
労基法改正は、企業実務に直結する内容ばかりですので経営者は非常に気になるところです。今回はいくつか代表的な改正ポイントをお知らせします。
(1)連続勤務の上限規制
現行法の四週間4日法定休日は認められなくなり、原則法定休日は一週1日となります。結果として14日を超える連続勤務を禁止するという方向性が示されています。小売・飲食・医療・福祉などシフト勤務管理をしている業種の企業は連続勤務にも留意していく必要があります。
(2)勤務間インターバル制度の義務化
勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻までに11時間(予定)の休息時間を確保するルールです。例えば夜22時まで仕事をした場合、翌日は9時より早く出勤させてはいけないというものです。現在は努力義務ですが改正後は義務化されます。運輸業、医療業などは検討を迫られます。
(3)副業の割増賃金通算ルールの見直し
副業が一般化する中で問題となっていた「複数の会社で雇用された場合の割増賃金の扱い」について、改正法では異なる会社での労働時間は通算されないことになりそうです。
(4)繋がらない権利
業務時間外の緊急時連絡などがどこまでが許容されるのかについてのガイドラインが策定されます
(5)その他
休憩時間の柔軟化、労働時間のデジタル管理義務、副業時の安全配慮義務の整理、有給の賃金計算の統一化、特定事業所の週44時間制撤廃など検討中のものも含めて大量の改正が見込まれています。
企業が今できる事
今回の労基法改正が企業労務管理に与える影響はかなりのものと推察できます。
常に情報をキャッチしていただき、システム変更を余儀なくされる改正など時間と手間がかかるものから先に検討していくことをお勧めします。
例えば勤務インターバル制度の義務化は、ほぼ決定事項なので、就業規則に休息時間の取り扱いを明記する必要があります。
また、連続勤務上限規制により、シフト作成のルールを規則に記載しなければなりません。同時に給与システムなども変更する必要があります。
さらに法定休日を事前に特定する義務が追加されると週ごと等で法定休日を明確に表示する仕組みが求められます。
当然労働者の働く意識も大きく変わる可能性があります。柔軟な働き方に対する管理が明確になると副業等が当たり前の時代になってくるのではないかと考えます。企業もまた柔軟に雇用していかなくてはますます人手不足が深刻化していく時代になりそうです。
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